サッカー元日本代表FW平山相太氏(32)が4日、仙台大1年生としてスタートをきった。宮城・柴田町の同大体育館で行われた入学式に出席。「今まではサッカーしかしてこなかったので、スポーツ経営学や心理学も学びたい」と将来に向けた勤勉意欲を示した。

 今年1月に現役引退を決め、2月末にAO入試で仙台大に合格した。指導者の道を進むために希望したセカンドキャリアの挑戦に、式典で朴沢泰治理事長(71)から「新入生の中にみなさんより10年の年輪を重ねているにもかかわらず、再び勉学に励む精神が模範となる人がいる。平山さん立ってください」とサプライズ紹介も受けた。平山は紺色のスーツ姿で「いきなりでビックリ。脇汗やばかったです」と笑顔も見せた。

 すでに学生コーチとして数回、サッカー部の指導も開始している。今後は自身のA級ライセンス取得、学生の指導、勉学を両立していく予定だ。「自分の経験を分かちあいたい。積極的に話しかけて友達も作っていきたい」と意気込んだ。

 国見高(長崎)時代は全国高校選手権で史上初の2大会連続得点王となり「怪物」と呼ばれ、190センチの大型ストライカーとして期待されてきた。世代別日本代表や04年アテネ五輪代表として活躍も、A代表としての得点は10年1月に国際Aマッチ初出場を果たしたアジア杯予選イエメン戦のハットトリックだけ。ケガも度重なり、17年3月にも左足首を手術するなど、第2の人生を歩む決断に踏み切った。

 同大サッカー部の吉井秀邦監督(45)も「プロとしてもトップレベルのゴール前での駆け引きは、彼にしかできないものがある。手や体の使い方、ポジショニングなど、FWだけでなくDF面も学生に伝えてほしい」と期待を寄せた。