2度の右膝前十字靭帯断裂から今季、復帰したサンフレッチェ広島DF佐々木翔(28)が、柏レイソル戦で決勝弾を決めた。公式戦でのゴールは、15年4月22日のナビスコ杯(現ルヴァン杯)松本山雅戦以来、約3年ぶりで、J1でのゴールはヴァンフォーレ甲府時代の14年10月26日の川崎フロンターレ戦以来、約3年半ぶり。

 佐々木は前半17分、DF和田拓也の右クロスをDFが弾いたこぼれ球にファーサイドから詰め、左足で決めた。「右サイドで、あれだけ時間を作ってくれたので、僕もスペースに入っていけた。いいボールを蹴ってくれた」と振り返った。

 16年3月20日の大宮アルディージャ戦で右膝前十字靭帯断裂の重傷を負い、全治8カ月と診断され手術を受けた。復帰を目指してトレーニングをしていた17年1月22日に患部を再断裂し、再び手術を受け、全治8カ月の診断を受けて1年を棒に振った。18年2月24日のコンサドーレ札幌との開幕戦にスタメンで復帰し、柏戦まで6戦連続でスタメン、フル出場を果たすなど完全復活した。

 復帰後、初ゴールへの思いを聞かれると「あまり、どうも思わないですね。ケガして、復帰するのは選手として当たり前。やるのは当然なので。チームとして結果を出すために、取れたのは良かったですけど、僕個人としては何とも思わないです」と淡々と語った。

 その佐々木にも、譲れない相手がいた。マッチアップした柏FW伊東純也(25)は、甲府時代の14年に神奈川大の特別指定選手として加入していた後輩だ。「後半、ちょっとやられちゃいましたけど、久々にマッチアップできて楽しかったです。あいつにやられたくないというのは人一倍、気持ちとしてありますし、しっかりとした先輩ということを言いたいですからね。あいつは、すごくいい選手。僕も負けじと、これから頑張らないと」と言い、笑った。【村上幸将】