横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー新監督(52)は、FW伊藤翔(29)の後半22、39分の2ゴールでFC東京と引き分けも、開口一番「あまり、いい試合ではない。非常に残念な、受け入れられないような前半の内容だった」と切り捨てた。さらに「後半は選手たちが、いい反応を見せ、しっかりチャンスも作ったが、全体的には満足できない試合だった」と失望感をあらわにした。

 質疑応答では、各ポジションの選手起用への質問も飛んだが「とにかく、言えることはポジションどうのこうのよりも、内容が悪かったということ。プレーのテンポも遅いですし、動きも少ない。特に内容はひどかった」とまで言った。

 ラインを高く設定し、高い位置からプレスをかける攻撃サッカーを開幕から続けているが、対戦相手に研究され、ハイラインの背後を突かれて失点する場面も少なくない。取材陣から「DF、GKのありえないようなミスで前半は失点し、ピンチもあった。プレースタイルから言って、時々、起こりうるかもしれないが」と質問が飛ぶと「1つのシーンを切り取るとかじゃなく、ハイラインを保っているから(ミスが)起こるとかじゃなく、とにかく自分たちのテンポが、あまりに遅過ぎる。とりあえず試合に出れば、何とかなるだろうという入り方の試合。毎試合、1分、1秒、1こ1このプレーを100%出し切らないと、サッカーは簡単なゲームじゃない」と苦言ばかりが口を突いて出た。

 「後半、ガラッと変わった、いいサッカーを継続するのに必要なことは?」と問われると「残念なのは(良くなったのが)なぜ後半か? ということ。前半が良くて、後半が落ちていくのは分かる。メンタルは変えないといけない。私がサポーターなら監督、選手に失望するだろう。90分(選手が)やり続けた試合だってある。だから残念だと思う」と悔しさを吐露した。

 一方で「自分は、この仕事に関して情熱的な気持ちを持っていますし、選手たち、クラブにも思い入れは強い。選手にも同じ思いを持って欲しいと話をした。もっとマリノスは、ダイナミックでハイテンポなサッカーができるのに…できなかった部分に関して、メンタルかもしれないが、そういった部分を変えていかないといけないと思う」と改善を誓った。【村上幸将】