ベガルタ仙台が北海道コンサドーレ札幌に2-2で引き分け、連敗を2で止めた。1-2で迎えた後半ロスタイム、右CKからDF大岩一貴(28)がヘディングで今季リーグ戦初ゴールの同点弾を突き刺し、土壇場で追いついた。ただ、後半2分にFW西村拓真(21)のゴールで同点とし、なお相手の退場で数的優位となった直後に失点。3連敗を逃れて順位は6位に浮上も、3試合連続の複数失点で守備の修正が急務となった。

 最後まで諦めなかった。キャプテンマークを巻いた大岩が、土壇場で執念を見せた。後半もロスタイム4分、最後のワンプレーとなったCKで、MF野津田岳人(23)が左足インスイングで放ったボールにニアで反応。ゴールに向かって弧を描くボールを頭でこすり合わせ、同点ゴールを流し込んだ。大岩は「いいボールがきたので、ほんの少し触って当てすぎないように心掛けたら入った」。歓喜する間もなく急いで自陣に戻ったが、すぐに終了の笛が鳴り響いた。

 昨年11月のホーム横浜戦以来のゴールは、チームにとって今季初となるセットプレーからの値千金弾。17日に誕生した男児にささげるうれしい祝砲となるはずが、笑顔はなかった。

 大岩 セットプレーで点を取れないとワンランク上にはいけないが、3バックの真ん中として、ゴール以前の問題のところで責任を感じている。細かいポジショニングや細かいラインの上げ下げの部分をしっかり突き詰めて、修正していきたい。

 1-1で迎えた後半28分、元仙台の相手DFキム・ミンテ(24)がこの日2枚目のイエローカードで退場。仙台は数的優位に立ったが、5分後に勝ち越しゴールを許した。3戦全勝と圧倒していたホーム札幌戦で、辛うじて勝ち点1を奪い取った形だ。

 渡辺晋監督(44)は「不用意でつまらない失点で首を絞めてしまった。最後のところで少し弱気になって、背中を向けてしまうシーンもあった。相手が10人でも失点してしまう。しっかりと以前の守備の堅さを取り戻していきたい」と振り返った。15連戦の後半を辛うじてドロースタートとし、中3日で訪れる次節アウェーG大阪戦に向けて切り替える。【下田雄一】