アウェーゴールは絶対阻止! 日本勢で唯一、ACL決勝トーナメント(T)に進んだ鹿島アントラーズは9日、ホームで上海上港(中国)との1回戦第1戦に臨む。中国リーグで現在、最多得点で首位を走る上海上港は超強力攻撃陣を擁する強敵。進出した過去5度とも阻まれた鬼門の1回戦突破へ。DF内田、MFレオ・シルバは負傷欠場の見込みだが、昨年の反省を生かしてアウェーゴールは許さない。

 誰も忘れてはいない。昨年の悔しさを。公式会見に臨んだMF三竿健が図らずも口にした。「昨年、僕たちはアウェーゴールの差でこの(1回戦の)舞台で負けている。ホームだし、得点を与えずにしっかりと勝って、次につなげたい」。

 17年5月30日だった。広州恒大(中国)とのアウェー第1戦を0-1で折り返して迎えたホームでの第2戦。ロスタイムの得点で2-1で競り勝ったものの、アウェーゴールの差で敗れた。5度目の挑戦で、またしても越えられなかった初戦の壁。直後に、石井前監督の解任が決まった。

 重みは嫌というほど味わった。今回は初戦をホームで戦う。上海上港はJリーグでも活躍した元ブラジル代表FWフッキこそ、けがで出場が微妙だが、元同国代表MFオスカルを司令塔に、対日本勢12得点を誇るFWエウケソン、中国リーグで現在得点王のFW武磊を擁する。無失点に抑えるのは至難の業。それでもMF遠藤は「攻撃はすごく強力だけど、みんなでうまく守れれば、全然守れる」。

 自信は、コンパクトな形で堅守を取り戻せた5日の浦和戦で生まれた。「1対1では抑えられない相手もいるっちゃ、いる。でも、みんなの距離が近ければ、誰が抜かれようがカバーできる。浦和戦の戦い方をもっと良くすれば、勝つチャンスはどんどん増える」。DF内田の欠場濃厚は痛いが、最終ラインは浦和戦から変わらない予定。堅守継続で勝機を-。Jリーグ代表の思いとクラブの歴史を背負い、鬼門突破に挑む。【今村健人】