大宮アルディージャFW大前元紀(28)が、愛媛FC戦で2戦連発となる今季12点目のゴールを決めたが引き分けに終わり、試合後は悔しさを吐露し、笑みもなかった。

 前半31分、大前は右サイドから左サイドに移っていたMF茨田陽生が、中央のMF大山啓輔のパスを受けてドリブルを仕掛けると、ペナルティーエリア左に前進。茨田のパスを受けると1度、右足でキックフェイントをかけ、DF林堂真(28)の股が開いたところを見逃さず、右足を振り抜いた。狙い通りに股を抜く技あり弾に、大前は右手人さし指を1本立てた。「茨田からかな…いいところにボールを置けて、うまく駆け引きした中で、相手の足をしっかり出させて決めることが出来て良かった」と淡々と振り返った。

 前半戦の折り返しとなったこの日の試合で今季12点目のゴールを決めたが、6分後に失点し、連勝も4で止まった。大前は試合後「連勝は、そんなに気にしていなかったですね。ホームだったんで…サポーターの前で、上との差を詰めるためにも勝ちたかった」と悔しさをにじませた。前半41分には、FW富山貴光の浮き球パスをDF林堂が弾いたこぼれ球を胸トラップして、右足で強引にシュートにいったが、枠を外して2点目は取れなかった。「勝利につながるゴールだったら良かったけれど、点を取れるシーンもありましたし」と渋い顔を見せた。

 前半戦を終え、チームはJ1昇格プレーオフ圏6位のモンテディオ山形と勝ち点1差の7位につける。「もっと上の順位にいないといけないチーム。下位のチームとの試合で落としている」と、後半戦に向けた課題が口を突いて出た。【村上幸将】