“ミスターアルビレックス”がレジェンドたちとともに有終の美を飾った。J2アルビレックス新潟の元主将で、昨季限りで18年間の選手生活を終えた本間勲(37=新潟スクールコーチ)の引退試合に、かつて在籍した新潟、栃木のOB、現役Jリーガーら50人が参加した。「ISAO FRIENDS」「HOMMA FRIENDS」の2チームに分かれ、本間は前半は「HOMMA」後半は「ISAO」でプレーし、80分間フル出場。サポーターを沸かせた。

 レジェンドたちに囲まれながら、本間が躍動した。“ミスターアルビレックス”のラストプレーに1万5299人のサポーターが拍手を送り、歓声を上げた。

 白のユニホーム「HOMMA FRIENDS」でプレーした前半26分、左足でシュートを決める。オレンジのユニホーム「ISAO FRIENDS」では後半36分と後半ロスタイムにPKを決めてハットトリック。80分間、左腕にはキャプテンマークが巻かれ続けた。

 現役時代は豊富な運動量とパスワークで試合を仕切ったボランチ。「あまり得点をする選手ではなかったので」と照れ笑い。新潟の下部組織に所属する長男響君(小4)との競演も実現した。前半はチームメート、後半は敵味方に分かれた。響君からボールを奪い、ドリブルを仕掛ける場面も。「息子とプレーできるなんていい思い出です。プロになってもらいたい」と目を細めた。

 引退試合の出場メンバーには自ら電話をかけて参加を打診した。00年の入団当時の先輩たちから、後輩の現役Jリーガーまで。新潟で15年半、栃木で2年半の合計18年間の現役生活で培った絆の証しでもある。「仲間たちといい雰囲気の中で試合ができました。感謝しています」。集まった観客は前日6月30日の水戸戦の1万5759人とほぼ同数。03年のJ2優勝、J1昇格決定、04年からのJ1での戦い。本間と、新潟の歴史をつくったメンバーたちのプレーをサポーターは楽しみにしていた。

 試合後のあいさつでは、「リーグ戦の後半戦、トップチームを今日のような雰囲気で支えてください」。引退してもなお、あふれ出る新潟愛で背便号15に別れを告げた。【斎藤慎一郎】

 ◆本間勲(ほんま・いさお)1981年(昭56)4月19日生まれ、胎内市(旧中条町)出身。中条中から千葉・習志野高に進み、00年に新潟に入団。ボランチとして頭角を現し、05年からレギュラーに定着。14年途中から栃木に移籍。17年に新潟に復帰し、シーズン後に引退。J1通算256試合出場9得点、J2通算108試合出場6得点、J3通算29試合出場0得点。ポジションはMF。173センチ、67キロ。現役時代の背番号は15。