首位サンフレッチェ広島が、痛恨のオウンゴール(OG)で湘南ベルマーレに追いつかれて引き分けた。

 前半32分にPKを得た湘南は、FW山崎凌吾(25)が左足でゴール右隅に決めて先制。広島は前半ロスタイムの50分、PKをFWパトリック(30)が決めて追いついた。パトリックは得点ランクトップを走る15得点目。

 後半は広島が圧倒的に攻めながら、湘南GK秋元陽太(31)にファインセーブに阻まれたが33分、MF柏好文(31)が勝ち越しゴール。しかしロスタイムの47分、OGで失点し引き分けた。広島は対湘南の負けなしを12戦連続(9勝3分け)とした。

 勝利目前で失った勝ち点3に城福浩監督(57)は怒りを隠さない。「負けに等しい試合。勝ち点3への執念を引き出せなかったのは私の責任。来てくれた多くのファンを失望させてしまった。悔しい」。翌日6日は広島「原爆の日」だった。祈念日を前に、この日は試合前、犠牲者に向けて黙とうをささげた。広島としては特別な一戦だった。それだけに「だからこそ(サポーターと)勝ち点3を共有したかった。勝利に向かってのベストな姿を見せたかった」。

 後半33分に一時、勝ち越しのゴールを決めたMF柏好文(31)も「勝たなきゃいけない試合。勝ちに対する執念を見つめ直す。どう締めくくるか。守り抜くとか、どういうメッセージを出せるか。声かけができないといけない」。2位FC東京が勝ち点5差まで迫ってきただけに、危機感を募らせた。