<明治安田生命J1:神戸0-2横浜>◇第24節◇26日◇ノエスタ

今夏、東京から期限付き移籍で横浜に加入した17歳のMF久保建英が、J1リーグ戦初先発で初得点を挙げた。神戸戦の後半11分、右サイドからのパスをゴール正面で得意の左足でトラップし、左足で先制点。同じバルセロナの下部組織出身の神戸MFイニエスタの前で決め、チームを公式戦4試合ぶりの勝利へ導いた。

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久保を、バルセロナ入団時からコーチ等で支えてきたオスカル・エルナンデス氏は「タケのゴール前の動きはバルサのDNA」と自負する。イニエスタも学んだ伝統的な練習は、試合形式で徹底的にフリーのスペースを探させる。「その判断が最も優れていたのがタケ」。この日もフリーでリターンパスを呼び込んだ。

夢は、18歳になる来年6月のバルセロナ復帰。今も練習参加だけは認められており、15年秋から毎年現地へ。昨年1月の体力テストの数値は今なおトップだったといい、首脳陣を「安心した」と喜ばせた。カタルーニャ語も忘れていない。

Rマドリードやパリサンジェルマンから興味を示されても、応じる気はない。相思相愛。エルナンデス氏は「バルサは昨年のU-20W杯や(J3)初ゴールも確認済み。3年前、泣いて『またバルサに帰ってくる』と別れた彼の夢がかなうことを願う」。そのためJ1出場は不可欠。東京から慰留されても移籍を強行した理由だった。【木下淳】