19歳の道産子が3連勝を呼び込んだ。北海道コンサドーレ札幌FW菅大輝(19)が、ヴィッセル神戸戦(札幌ドーム)の前半11分、右クロスを頭で合わせて先制点を決めた。J1リーグ戦では通算2点目、今季初得点。392日ぶりの1発で、今季最多3万2475人サポーターが集まった一戦を制する原動力となった。

この日の主役は世界のスーパースターではなく、札幌の道産子FW菅だった。神戸MFイニエスタ効果で、今季最多の3万2475人が集まった札幌ドーム。決勝点を挙げた19歳が、ヒーローインタビューで「かなり緊張したけど、しっかり勝てて良かった」と素直に明かすと、大歓声に包まれた。

前半11分。MF駒井が右サイドからクロスを上げた。絶妙な軌道に、ファーサイドの菅が反応した。落下点に向かって走り込み、頭で左隅に流し込む。「信じて、走って、ゴールという形になって良かった」。プロ初得点だった昨年8月5日アウェーC大阪戦以来392日ぶりの1発、プロ2年目でのホーム初得点。大観衆の「菅コール」が心地よかった。

今季は開幕から22戦連続出場。チームは好調だったが、自身のプレーには満足していなかった。ワールドカップ(W杯)中断期間にはペトロビッチ監督からも「前はガツガツしていた。もっと頑張れ」と奮起を促された。前節清水戦は、ベンチ入りはしたものの、初めてピッチに立てなかった。「悔しい気持ちでいっぱいだった」。この日はハングリー精神で向かった。前半6分には思い切って裏に飛び出す。オフサイドになったが、攻めの気持ちは5分後の得点へとつながった。

今季2度目の3連勝で、順位はACL圏内目前の4位をキープした。イニエスタ、ポドルスキの「W杯優勝コンビ」がいる神戸に快勝。「このままの勢いで勝ち続けたい」と口にした。10日が20歳の誕生日。忘れられない10代ラストゲームをきっかけに、さらに飛躍する。【西塚祐司】