Jリーグで唯一、勝ち残っている鹿島アントラーズがクラブ史上初の決勝進出を決めた。光ったのは、ジーコ・テクニカルディレクター肝いりの助っ人。1得点2アシストで突破に貢献した、MFセルジーニョの勝負強さだった。

ホームの第1戦を3-2で折り返して迎えた、敵地での第2戦。前半25分にFKから、DF山本脩斗の先制点をアシストした。後半開始から立て続けに3失点して瞬く間に逆転されたが、後半19分にはDF安西幸輝のクロスを後方にそらして、DF西大伍のゴールをアシスト。2試合合計で追いつくと、土壇場の後半37分には、FW鈴木優磨から懸命につながれたボールを右足を振り抜き、豪快に突き刺した。

「『こぼれてくれ』と行ったら、本当にこぼれてきた。トラップがうまくできて、神様コースのシュートを決めることができた。みんなの気持ちが入ったシュートだと思う」と喜んだ。

共通の人を介したジーコTDからの誘いによって、中東のクラブからのオファーを蹴って、8月に来日した。そして、ACLは準々決勝の天津権健(中国)戦から出場して、これで4試合全てで連続ゴール。Jリーグの選手では、3人目の快挙だった。

「全員で決勝に行く目標が達成できてうれしい。みんなで点を取ることができた。3失点はしてしまったが、頑張って耐えることができた。決勝の舞台への切符を手にしただけ。トロフィーを獲得するためにまた全員で頑張りたい。神に感謝したい」と控えめな喜びように、まじめでチームのために尽くす献身的な姿が垣間見えた。