J1初挑戦のV・ファーレン長崎が厳しい現実を迎えた。横浜F・マリノスに敗れ、今季のJ2自動降格圏17位以下が決定。J1昇格資格のないJ2FC町田ゼルビアの結果次第で自動降格が1チームになるため、かろうじてJ2降格は「決定」していないが、次節24日のアウェー・ガンバ大阪戦次第で、最下位が決まりJ2に降格。チーム全員が前を向いたが、ほんの少しの奇跡を信じるしかない状況となった。

スタジアム全体が重苦しい雰囲気に包まれた。横浜サポーターが歓喜する中、長崎イレブンはうつむくしかなかった。勝利が絶対条件の試合で黒星。今季の17位以下、J2への自動降格圏内が決まってしまった。高木監督は「期待に応えることができなかったのは残念。でもすべてが真っ黒な闇ではない。少しでも光が見えていれば、しっかりプレーし続ける」と言葉に苦しさをにじませた。

ただ、希望もかすかにある。J1昇格資格のない町田がJ2で2位以内が確定すれば、J2自動降格は最下位の1チームだけ。そこに「光」はあるが、次節の結果次第では最下位が決まり、そうなれば降格となる。DF高杉主将は「我々は最後まで戦います」と言い、GK徳重も「少しでも前に進みたい」と口にしたが、顔は下を向いていた。

高田社長は現実を受け止めながら「奇跡を信じて私も次は大阪(24日、G大阪戦)に乗り込みます。自分たちが弱気になったらサポーターに失礼ですから」と語気を強めた。

ちょうど1年前の11月11日、J1昇格を決めた。あれから1年、選手らも入れ替わり強化も図ったが浮上することなく、J1に首の皮1枚残っている現実。夢を終わらせないためにも、ミラクルを起こすしかない。【浦田由紀夫】