チームの命運を懸けた戦いが始まる。ジュビロ磐田は11月30日、今日1日の最終節アウェー川崎フロンターレ戦に向け、磐田市内で約1時間の最終調整を行った。引き分け以上で自力残留が決まる一戦には、MF中村俊輔(40)の5戦ぶり先発が濃厚となるなど、けが人も復帰。名波浩監督(46)は「この1試合で終わらせる」と誓った。思いを1つに敵地に乗り込む。

最後はみんなで笑う。磐田が、J1残留への準備を整えた。大久保グラウンドで行われた最終調整は、和やかな雰囲気の中にも緊張感が漂った。最終戦は、引き分け以上で自力、負けても他会場の結果次第で残留が決まる。その一方で、J1参入プレーオフに回る16位転落の可能性も残るが、名波監督は「この1試合で終わらせるということだけ」と言い切った。

戦力も整った。前日29日の紅白戦では、右太ももを負傷していたFW川又堅碁(29)とMF中村、腰痛のDF小川大貴(27)が主力組でプレー。頼もしい戦力の復帰に加えて、移籍後初の古巣戦となるFW大久保嘉人(36)もゴールを決めるなど、順調な仕上がりをアピールした。

5戦ぶり先発が濃厚となった司令塔は「グラウンドに立てないメンバーもいる。出る選手が責任をもってやらなければいけない」。大久保も「『この1試合に懸ける』という気持ちを全員が持って、どんなにつらくても走らなければいけない」と、語気を強めた。

この日の練習には、約200人のサポーターが集まった。試合当日のビジターチケットも、2000枚が完売。ゲーム主将のDF大井健太郎(34)は「この1週間、『他チームのことは考えずに自分たちのできることをやろう』と言ってきた。良い準備ができたと思う」と語った。クラブ、スタッフ、選手、サポーター。全ての力を集結し、J1残留争いに終止符を打つ。【前田和哉】

◆磐田のJ1残留条件 最終節のアウェー川崎F戦に、引き分け以上で自力での残留が確定。敗れた場合は、他会場の結果によって以下のいずれかの条件で決まる。(1)15位鳥栖が敗れる(2)14位湘南と16位名古屋の直接対決で、どちらかのチームが勝利する(3)勝ち点で並ぶ12位横浜が、磐田の得失点差を下回る大敗を喫する。