白血病を経験したJ2アルビレックス新潟DF早川史哉(24)が12日、クラブの公式サイトを通じ、白血病を患っていることを告白した競泳女子の池江璃花子(18=ルネサンス)への思いをつづった。自身は、16年4月に発病。抗がん剤治療を受けて、同11月に骨髄移植手術をした。17年1月には治療に専念するために選手契約を一時凍結。順調な回復ぶりを見せ、18年11月に凍結を解除し、今年1月5日に正式に契約を更新した。

 

 

早川は冒頭でクラブ公式サイトを通じて発信した意図を説明した。「まずは、池江選手の病状がはっきりしていない現段階では、軽率な発言や憶測で判断し、メディアを通してお話するべきではないと思い、クラブを通じてコメントさせていただきます」。

その上で約2年ぶりに復帰した自らの経験を踏まえ、池江の気持ちをおもんぱかった。「正直に自分としてはショックを受けていますし、他人事ではなく、自分のことのように感じています。池江選手の気持ちを考えると、言い表す言葉が見当たりません。これからどういう治療、どういう経過をたどっていくのかは分からないですが、競泳選手としての池江さんというより、一人の人間として病気に立ち向かってほしいです」「選手として活躍されていて、周りの多くの方はどうしても綺麗なドラマのように、復帰して再び活躍する姿を見たいと期待していると思いますが、まずは一人の人間として元気になってくれることを僕は願っています。決して明るく前向きなことばかりでないと思います。池江選手には、周りの信頼できる人たちといろいろな想いを共有して、決して一人で背負いこまず、じっくりと強い気持ちをもって病と戦ってほしいです」。

さらに「僕自身、いろいろな人から温かい想いをいただいたことが、間違いなく大きな力になっています。しかし、それを背負い過ぎることなく、また期待を意識し過ぎずに自分のことを第一に想って進んでほしいと思います」と、池江に治療に専念するよう、呼び掛けた。その上で「だからこそ、白血病を経験した僕から周りの方々にお願いがあります。池江選手に温かい優しさをたくさん与えてほしいと思います。そういう想いが必ず池江選手の力になると思っています。それは、僕自身も感じてきたことでもあるからです。みなさんにはスポーツに関わる者として、リスペクトをもって池江選手を支えてほしいです。ぜひ、人の思いやり、温かみという部分で池江選手に寄り添い、温かい想いをみんなで届けていけたらと思います。僕自身が力になれることがあれば協力させてもらいたいです。お互いアスリートであり、共に頑張っていきたいとも思います。そして、池江選手のペースで一歩ずつ、じっくりと前に向かって進んで行ってほしいと願うばかりです」と、池江への応援を訴えた。

また「今、SNSで『早川選手が2年、3年で復帰したから大丈夫』という話を目にしますが、それぞれの病気ですし、病気によってもそれぞれの段階があると思います。誰かと比較せずに池江選手のペースでしっかりと病気に向き合って進んでほしいのが一番の願いです。池江選手に対するリスペクトと思いやりをもって、彼女の戦いに大きな優しさと温かさをもって寄り添ってほしいです」(コメントは原文のまま)と、池江の病状について比較対照するようなことはしないで欲しいとも訴えた。