サッカーのU-17日本代表に初選出され、チリ遠征する帝京長岡のMF田中克幸(2年)が目標を明確に定めた。10月のU-17ワールドカップ(W杯)(ペルー)の代表入りへ、厳しい競争の生き残りだ。日本代表入りも視野に入れた。チリでは、同年代のチリ代表、パラグアイ代表らと対戦。レフティーのドリブラーは目標に向かって、突き進む。

田中は夢実現への切符を手に入れた。最終目標の日本代表へのレールが初めて敷かれた。日本は10月に開かれるU-17W杯(ペルー)の出場を決めている。予選の18年AFC・U-16選手権には不出場だっただけにチリ遠征は新戦力として試される。今回選出された18選手で高校所属は田中を含め4人。Jクラブユース選手らとの争いは代表定着への1歩となる。

田中 年代別の代表で自分のレベルをアップさせて、いろいろなカテゴリーの代表を務めていきたい。20年東京五輪の次の五輪代表を狙う。最終的に日本代表を目指す。

帝京長岡では右サイドハーフ、トップ下を務める。古沢徹監督(33)は「独特のボールタッチからのラストパス。シュートまで持っていくセンスがいい」と評価する。8強入りした1月の全国選手権ではMF谷内田哲平(2年=U-16日本代表)も大会中に田中を絶賛していた。「テクニックがある。チームの中で1番、注目されてもおかしくない選手」。誰もが認める技巧の持ち主だ。

田中 チリ遠征で長所のドリブルをアピールしたい。足元の技術に優れる南米の選手に自分のドリブルが通用するか、楽しみ。マークに来たら食いつかせて、相手の重心を見ながら、かわす。相手に読まれないノールックパスを前線の選手に通すのが持ち味。

物心がつく前からボールを蹴って遊んでいた。幼稚園児になると真っ暗になるまでドリブル練習した。小学1年で入団したFCルレイヴはドリブル重視のクラブで、FC Viparte(ともに岡山)所属の中学時代は作陽高、J1広島ユースなどに練習参加し進路を探った。そんな中で帝京長岡を選択した。全日本U-18フットサル選手権で優勝したインターネット動画を見て希望し、昨年は同大会2度目のVに貢献(6試合6得点)した。

田中 雪が積もると練習は室内でフットサル。近い距離でも落ち着いてプレーできるようになった。全日本U-18フットサルの優勝で自信もついた。サッカーにも生かされ、どんな局面でも平常心でやれる。

チリ遠征ではフットサルで培った技で勝負する。プレースキックも得意で、FKは無回転と曲がりながら落ちる2種を蹴り分ける。当面の目標、U-17W杯代表に選出されればJ1からJ3までプロ選手3人を輩出する帝京長岡での初の快挙だ。【涌井幹雄】

◆田中克幸(たなか・かつゆき)2002年(平14)3月15日生まれ。岡山県真庭市出身。ポジションはMF。前所属はFC Viparte。岡山・久世中から帝京長岡へ進学。昨年1月にはハーレンフースバル(5人制の室内壁ありサッカー)のU-16世界大会(ドイツ)に帝京長岡で出場し、4位。8強入りした1月の全国高校選手権は2得点を決めた。173センチ、62キロ。血液型O。