昨季J王者でリーグ戦3連覇を狙う川崎フロンターレは、前半9分にMF中村憲剛(38)が直接FK弾を決め先制した。J1リーグ戦では05年から15年連続ゴールとなった。試合は1-1のドローに終わった。

川崎Fは前半9分にMF中村が2年連続の「チーム1号」を決めたが、直後にロングボールから失点。圧倒的に攻め続けたが引き分けに終わり、中村は「非常にもったいない印象の試合だった」と悔しさを口にした。だが、ゴール正面20メートル付近からの、中村のFK弾は胸を張っていい美しいゴールだった。「すべてのフィーリングがぴったり合って、ボールを置いた瞬間、しっかり蹴れば入ると確信に近いものがあった。FKで入るときは大体そう」。

予感は当たり、右足で蹴ったボールがネットを揺らすと今季の新ゴールパフォーマンスであるプロレスラー中邑真輔の「イヤァオ」を披露した。DF登里のアイデアで登里が直接、中邑にメールを送り、本人の快諾を得て決まった。中村は「スタンドとの一体感を感じた。次は勝利につなげられるように。引き続き何回もできるようにしたい」と振り返った。

後半も終始、ボールを保持し圧倒的に敵陣に押し込んだが、あと1点が遠かった。開幕戦の東京に続きホームで2戦連続の引き分けだ。2連覇中の王者ゆえ、東京も鹿島も「守ってウンター」のスタイルをとってきた。中村は「名のあるチームが、勝ち点をやらないサッカーをしてくるところまで自分たちが来ている。本気で守る相手をどう崩していくか。それに抗えないと、3連覇には到底到達できない」とキッパリ。最後の質を突き詰め、堅守の壁を崩す覚悟を示した。【岩田千代巳】