ヴィッセル神戸が元スペイン代表FWダビド・ビジャ(37)の2戦連続ゴールなどで、ベガルタ仙台に3-1と快勝した。1-1で迎えた後半開始21秒、左クロスを右足で合わせて勝ち越し。1点目の同点弾はアンドレス・イニエスタ(34)がアシストし、3点目はFWルーカス・ポドルスキ(33)の右クロスがオウンゴールを誘発した。「復興応援試合」で初めて3人がすべての得点に絡む豪華3連発を披露した。

FWビジャが歓喜の輪の中心となった。後半開始早々、イニエスタのロングパスを受けたMF古橋からの左クロス。相手守備を背中に受けながらも、全力疾走で右足を合わせた。ニアサイドのネットを揺らし、ガッツポーズ。「自分のゴールも大事だけれど、何よりも大事なことは2連勝したこと」。J1でプレーしたW杯得点王は自身を含め5人。出場3戦目での2戦連発はFWストイチコフ(柏)の7戦目を抜いた。

ビジャ(V)、イニエスタ(I)、ポドルスキ(P)の世界最高レベル「V・I・P」トリオが、初めて全得点に絡むプレーを披露した。1点を先制されて迎えた前半31分、イニエスタのCKから3人だけで短いパスをゴール前につなぎ、最後はビジャがシュート。得点には至らなかったが序章が幕を開けた。

直後の同32分、イニエスタが右クロスで古橋の同点ヘッドをアシスト。後半19分にはビジャ-イニエスタとつないだスルーパスを受けたポドルスキが、利き足と逆の右でクロス。相手DFの足に当たって方向が変わり、オウンゴールを導いた。イニエスタは「緩い攻撃と速い攻撃を織り交ぜることが出来た」と笑顔。ポドルスキも被災地を勇気づけるプレーに納得した一方、「勝ち点を積み重ねられて良かった」と勝負に徹するプロ魂を言葉にした。

次節は17日のホーム清水戦。ビジャは「チャンスをうまく生かせているし、負けたくない。この勝利を次につなげたい」。スペイン代表歴代最多得点男は、優勝請負ストライカーとしての使命も背負う。【鎌田直秀】