18年ぶりにJ2ジェフユナイテッド千葉に復帰した元日本代表FW佐藤寿人(36)が28日、次節のアビスパ福岡戦(30日、博多の森陸上競技場)での今季リーグ戦初出場へ意気込んだ。

千葉は開幕から5試合を終え、唯一の未勝利で最下位に低迷。第4節の水戸ホーリーホック戦後にはファン・エスナイデル監督を解任し、江尻篤彦コーチが新監督に就任した。佐藤寿は第4節までベンチ外が続いていたが、江尻新監督のもと、第5節の京都サンガ戦で今季初のベンチ入り。同試合でポジションを争うFWクレーベが負傷したことなどもあり、福岡戦で今季初出場を果たす可能性が高まっている。

佐藤寿は「どういう形であれ、ピッチに立った時には勝ちにつながるプレーをしないといけない。一番はゴールです」と力を込めた。出番に恵まれない時期でも練習では大きな声を出してチームメートを鼓舞するなど、ベテランとしての役割を全う。この日の11人対11人の紅白戦では控え組のワントップの位置に入っており、途中出場での起用が濃厚だ。

江尻新監督も佐藤寿の起用に前向きで「本当にプロフェッショナルですし、戦術的な相手の分析を与えるといろんなことを理解してやってくれる。これを使わない手はないと思っていますので、当然、表現してもらえるように良い準備をさせて送り出すだけかなと思います」と話した。

佐藤寿は江尻新監督が98年に千葉で現役引退後、翌年から同クラブのユースでコーチを務めた際の教え子でもある。江尻新監督は「僕がユースで指導者なった時の初めての選手でもあります。どんどん得点記録を伸ばしてほしいなと思っていますし、彼も思いがあってこのクラブに来てくれていると思う。僕もそれは大事にしたい」。

佐藤寿の千葉でのリーグ戦出場は01年11月17日の名古屋グランパス戦までさかのぼり、得点となると同年3月31日の柏レイソル戦以来となる。実兄であるMF佐藤勇人との共演も期待されており、佐藤寿は「誰が点をとってもいいと思っていますし、何よりも勝つことを自分たちもファン、サポーターも求めていると思う。全員で取り返すしかない」。15年までリーグ戦で12年連続2桁得点をマークするなど、実績十分のベテランが千葉復活の立役者となる。