立て続けに起きた微妙な判定に騒然となった。

前半1分、FW北川航也(22)がドリブル突破。相手DFに倒された位置がエリア内にも見えた。だが、判定はエリア外。PKを主張した北川は納得のいかない表情で怒りをあらわにした。

さらに、直後のFKでまたも微妙なジャッジに泣かされた。キッカーのMF中村が狙った直接FKは壁の頭上を越えてゴール左上に入った。鹿島GKクォン・スンテ(34)が右手1本でかきだしたが、明らかにボールはラインを割っていた。中村は「僕の位置からでも入ったと思った」。副審に詰め寄ったFWドウグラス(31)の猛抗議も実らなかった。

ただ、敗れた原因は疑惑の判定だけではない。その後は防戦一方。前半10分に自陣右サイドを崩されて先制点を献上すると、後半24分にも追加点を許した。ヤン・ヨンソン監督(58)は「判定の影響もあったかもしれないが、言い訳にできない」。直後の同27分に痛恨の3失点目。スコア以上の完敗だった。

リーグワーストの22失点となったチームは開幕から2勝2分け6敗で暫定15位に転落。左伴社長は「ぶれずにやる」とヨンソン監督の解任を否定したが、状況は厳しい。クラブも公式ツイッターで映像を添えて判定について異例の“抗議”をするなど、後味の悪さが残った。ゴールが認められていれば展開は変わっていたかもしれない。ただ、入っていてもリードを守れていたかは疑問だ。次戦は川崎Fが相手。切り替えるしかない。【神谷亮磨】