セレッソ大阪がMF水沼宏太(29)の2得点1アシストで横浜を3-0で下し、今季初の2連勝を飾った。水沼は前半2分に相手のミスを突く先制ゴールを決め、後半もクロスでFW高木俊幸(27)の2点目を呼び、とどめの3点目も決めた。開幕スタメン後は控えが多かったが、ようやく存在感を発揮。次節18日のガンバ大阪との大阪ダービー(パナスタ)に弾みをつけた。

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開始2分で勝負を決めた。水沼の痛烈な先制パンチが横浜をKOに追い込む。DF瀬古から前線へのボールに反応した相手GKの動きを見逃さない。「GKが前に出て少しつまずいたのも見えた。思い切りいこうと、蹴ったら入りました」。今季初ゴールだった。

さらにアシスト、とどめ弾と全得点を演出した。MF清武が「今日は走り勝ちですね」。ロティーナ監督の下で取り組むのはボールを握るポゼッションではなく、空いたDFの裏を狙って縦に速く走り回る。その象徴が水沼で、両軍で2番目の総走行距離12・146キロをマーク。横浜の長所を消し、弱点を突いた。

開幕戦で先発もその後は控え、ルヴァン杯のメンバーに回った。「(起用法に)自分の中で整理がつかない時もあったが、ルヴァン杯で結果を出して信頼を勝ち取れば使ってもらえる。いつかチャンスが来ると信じて毎日取り組んできた」。前節松本戦から先発に復帰。連勝の使者となった。

下部組織から育った古巣横浜戦で大暴れ。「意識はなくはない。自分の存在を思い出してくれたら」。痛烈な恩返しは、母の日の贈り物。「母親だけでなく奥さんも。支えてくれる人にこういう形で伝えられてよかった」。感謝を込めた。【実藤健一】