J2アルビレックス新潟は徳島ヴォルティスに4-0で快勝した。前節アウェー町田戦の引き分けを挟んで、ホーム2連勝した。

前半24分に得た右CKのこぼれ球をMF戸嶋祥郎(23)が強烈な右足ボレーで先制。同30分にはFWレオナルド(22)が追加点を決め、後半も2点を積み上げた。7月27日から9日間で3戦した過酷な連戦の最終戦で勝利。上位チームと5戦する8月は上位浮上の好機と捉えているが、その初戦に大勝して浮上への足掛かりをつかんだ。

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我慢に我慢を重ねて、強烈な先制ゴールが生まれた。相手にボールを支配され続けながらも得た前半24分の右CK。

相手DFが頭ではね返し、ペナルティーエリア外に弾むボールにMF戸嶋が右足ボレーをさく裂させた。シュートは、反応するGK梶川裕嗣(28)より前にゴール右隅に飛び込んでいく。今季初ゴールが貴重な先制弾。その6分後にはFWレオナルドが2試合連続ゴールとなる追加点を挙げ、主導権を取り戻した。

前回のアウェー徳島戦(3月30日=0-1)で、戸嶋は不用意なバックパスで失点の原因を作った。ハーフタイムに交代し、以後は5試合連続で先発を外れた。うち、4試合は登録メンバーからも漏れた。5月4日のホーム山口戦から先発復帰。今季はサイドハーフ、サイドバックを経験し、今では不動のボランチだ。「どのポジションでもスーパーというか、チームに必要とされる選手になりたい」。前回のミスを帳消しにする豪快な右足ボレーで「代替の利かない選手」を証明した。

7月27日から始まった9日間で3戦する連戦の最後のゲーム。しかし、チームは「8月反攻」の重要な第1戦と捉えていた。8月に開かれる5試合の相手は上位チームばかり。自力で上位に浮上する絶好のチャンスが巡ってきている。「勝てば順位が変わる。自らの手で(上位浮上を)達成できる。逃がしてはならない」。そう話した吉永監督は選手たちに「覚悟」を求めた。戸嶋の1発は8月攻勢を告げる号砲になった。【涌井幹雄】