コンサドーレ札幌は鹿島アントラーズに1-1のドローに終わった。

右足首捻挫から2試合ぶり復帰のDF進藤亮佑(23)が前半11分に先制ゴールを決めたが、後半追いつかれた。

FWジェイ(37)、鈴木武蔵(25)が出場停止で不在のなか善戦するも、暫定リーグ首位に浮上した昨季アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)王者鹿島に18年ぶりの白星をとりこぼし、相手本拠地では8戦未勝利となった。

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またも鬼門を攻略できなかった。優勝争いを繰り広げる鹿島には、先制されても追いつく粘り強さがあった。札幌は、敵地ではね返しきれなかった。8試合ぶり先発のFWロペスは「鹿島相手でも勝ち点3を取れると確信していたので悔しいです」と表情を曇らせた。後半24分にDF福森からのクロスに合わせポストに直撃する惜しい場面もあっただけに、勝ち点2を失った印象が強く残った。

先制したのは札幌だった。前半11分。ゴール前に詰め寄った進藤が流し込んだ。右足首を負傷した4日ルヴァン杯準々決勝サンフレッチェ広島戦以来の試合でさっそく躍動した。クラブが過去7戦未勝利の地カシマで奪った得点は、2-3で惜敗した02年以来17年ぶり。初めて引き分けた昨季もスコアレス。主力のFW2選手を欠くなか、MF宮沢が「狙いとするサッカーはできた」と話すとおり、過去と違う展開に持ち込んだ。それでも2点目は遠かった。

ドローで終わった試合終了後、両チームのサポーターの反応は対照的だった。鹿島側からは激しいブーイングが起こり、札幌側からは拍手が鳴り響いた。札幌サポーターは18年間勝っていない鹿島相手に引き分けに持ち込み、健闘を称賛したかったのだろう。だが、札幌の選手に満足感に浸る者はいなかった。「勝てるチャンスは十分あった」と進藤。その言葉こそが、札幌がもう、強豪相手からつかんだ勝ち点1で満足しないクラブに成長した証しだった。

10月4日の次節からはルヴァン杯準決勝の相手でもあるガンバ大阪との3連戦が待つ。進藤は「3連勝を狙っていきたい」と頼もしく言う。リーグ残り7試合。「(ACL圏内の)3位以内を誰1人諦めていない」と、気持ちを奮い立たせていた。【保坂果那】