清水エスパルスがチーム最多タイ記録の1試合6得点を挙げ、湘南ベルマーレを6-0で退けた。前半にDFエウシーニョ(29)が2得点を挙げると、MF河井陽介(30)とMF西沢健太(23)の2人がそろって2試合連続ゴール。後半もさらに2点を追加した。1試合6得点は6年ぶり5度目。課題の守備も5試合ぶり無失点に抑えて、2連勝。終盤戦に向けて、これ以上ない勢いをつけた。

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鮮やかな1発がゴールラッシュの号砲になった。清水は前半25分、自陣からつなぎ、右サイドに展開。ボールを受けたDFエウシーニョが中央に切り込んだ。ゴール前まで進入すると、MF西沢とのパス交換から、右足ダイレクトで先制点。ブラジル人助っ人の今季2号でリードを奪った。篠田善之監督(48)が「先に取りたい」と話していた理想の展開。5試合ぶりに先制すると、自慢の攻撃力が爆発した。

同43分にもエウシーニョがCKから右足で追加点を挙げると、直後の44分にはMF河井が左足で3点目。ロスタイムにもMF西沢が2戦連発となるゴールを決め、湘南を突き放した。前半45分間で4得点。勝利をほぼ手中に収めた。

1度火が付いた攻撃は止まらなかった。後半7分、敵陣でボールを奪い、FWドウグラス(31)が左足でチーム5点目。11分には西沢がこの日2点目を決めてダメを押した。1試合6得点は、13年の鳥栖戦(6○4)以来6年ぶり5度目の快挙だ。今季は8月にホームで札幌に0-8で大敗するなど、得失点差がリーグワーストだっただけに、大量得点での勝利はチームにとっても大きい。課題の守備も5試合ぶりの完封と、攻守がかみ合った。

MF西沢も「勝てば下位チームと(勝ち点が)離れる。ターニングポイントの試合」と位置付けていた。順位は残り7試合で10位に浮上。目先の目標でもある残留に向けて、価値ある1勝となった。【神谷亮磨】