ガンバ大阪がMF倉田秋(30)の劇的なロスタイム弾で札幌にホームで先勝し、3季ぶりの決勝進出に王手をかけた。

後半29分にFW宇佐美貴史(27)がPKを決めて先制も、同42分に失点するイヤな流れを倉田が引き戻した。ホームアンドアウェー方式の第2戦は13日(札幌ド)。川崎Fは3-1で鹿島に快勝した。

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“絶好球”に倉田もびっくりだった。1-1に追いつかれ、後半ロスタイム5分。「パト(パトリック)が競ってくれるから、どこかにこぼれてくるかと思ったけど、まさか目の前とは」。足元にきたボールに右足を振り抜いた。

「やっぱりゴールは気持ちいい」と浸り「ホームで勝たないといい流れで次(アウェー)に行けない」と表情を引き締めた。5日前のリーグ戦で5-0と圧勝した相手。雪辱に燃えてくるだけに、倉田も「難しい試合になる」と予期していた。実際、激しい動きで最初から高い位置でプレスをかけてきた。「相手が守備をはめてきた。自由にボールを回せなかった」と倉田。後半29分に宇佐美がPKで先制も、42分にFKから失点したが、倉田の一撃で立場を逆転させた。

宮本監督も「アウェーゴールは与えたくなかったが、しっかり勝ちきることを狙った姿勢は評価したい」。G大阪にとって今季可能性がある唯一のタイトル。倉田も「最近タイトルとれてない。意識は高い」と意欲を語っていた。その上で「まだ半分。まだ終わってない」。倉田が決勝への道を切り開く。【実藤健一】