ルヴァン杯で優勝した川崎フロンターレがサンフレッチェ広島に2-1で競り勝ち4位に浮上した。

U-22日本代表で川崎FのMF田中碧(21)が、日本代表森保一監督が視察する中、強烈ミドルを決めた。田中は前半21分、MF中村憲剛(39)のバックパスをゴール正面25メートル付近で受けると、迷わず右足を振り抜いた。ボールは1度ゴールポストに当たり、跳ね返ったボールが同じU-22日本代表の広島GK大迫敬介(20)の背中に当たり、ネットを揺らした。田中は今季初ゴールとなった。

田中は10月14日のU-22日本代表とブラジルとの親善試合で2本のミドルシュートを決めていた。森保監督は「ブラジルで得点をとったミドルのシーンを思い出しました」とし「日本人がミドルレンジから、よりシュート意識を持つこと、そこを決めきる力が出てきているのを示してくれていると思います。自チームでレベルの高い競争と刺激を受けながら、いい指導を受けながらポジションを取るのが難しいクラブで戦っている中でレベルアップしてきていると思います」と評価した。

川崎Fはパスを繋ぎながら、相手守備陣を崩し決定機をつくるスタイル。田中自身「ミドルで外せば相手ボールになる」との考えから、積極的にミドルを打つ意識はなかったという。だが、ブラジル相手に2本のミドルを決めてから意識が変わった。「少しスペースがあったら打つのはありなのかなと。自分の中で考えが変わった。今日の試合も自分の前にスペースができましたし、相手が引いている中、打つことが大事かなと思ったので。それがゴールにつながったので、自分の中で新しいものをつかみ始めているのかなと思いますね」。相手GKは、同じ東京五輪世代の大迫で「僕のシュートが(直接)入っているわけではないので」と苦笑し「次の試合でまた、そういう得点パターンを増やしていければ」と話した。

10月19日のガンバ大阪戦で相手FWとの接触で鼻骨骨折し、この日はフェースガードを付けながらのプレーだった。視野が狭くなるが「言い訳にしたくなかった。見えないなりに、見る回数や首を振る回数を増やさないといけない。いい勉強になっています」と前向きだった。