J2アルビレックス新潟は20日、クラブハウス隣接ピッチで練習した。今季、残すゲームは24日の最終節ホーム長崎戦だけ。急性白血病から復帰し7試合連続スタメンのDF早川史哉(25)は、昇格の目がなくなっても、応援してくれるサポーターがいる限り「無駄にしていい試合は1つもない」と、ひたすら勝利を目指す。

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早川は、最終節のホーム長崎戦を消化試合にするつもりは全くなかった。8対8のミニゲーム。全身を足から投げ出しスライディング。勝利に懸ける思いをプレーで表現した。「無駄にしていい試合は、1つもない」。プレッシャーがより強まる狭いスペースでのゲームだけに「判断を早くすることを心掛けた」。

早川が「プロサッカー選手になりたい」と熱望するキッカケとなった選手が、今季限りで新潟を去る。GK野沢洋輔(40)だ。小針レオレオ所属の小3時代。新潟市陸上競技場でのJ2の前座試合でのこと。集合写真撮影の際に、後ろに並んだ野沢から頭をなでてもらった。「子どもからカッコいいと思われる選手になりたい。(理想の)選手像の大本を(野沢から)もらった」。

あこがれのプレーヤーと1シーズンを過ごし、練習で一緒に汗を流したことを「幸せだった」と語る。サッカーに取り組む姿勢やファンサービスを積極的に行う姿を野沢から吸収した。「新潟の良さを引き継ぐのは、ボクの役目だと思っている」。早川は、新潟伝統のひたむきに走るサッカーを最後まで貫くつもりだ。【涌井幹雄】