アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦(24日午後7時)の公式会見が23日、埼玉スタジアムで行われた。浦和レッズとの第1戦(リヤド)を1-0で制し、日本に乗り込んできたアルヒラル(サウジアラビア)のラズバン・ルチェスク監督(50)と10番を背負うMFムハンマド・シャルフブ(38)が出席した。

冒頭、ルチェスク監督があいさつし「いよいよ明日は決勝。面白い試合になると思う。第1戦は1-0で勝ったが、もう少し楽な展開にできたはず。点が足りなかった。しっかり1-0で勝つことはできたが、普通にプレーしていれば2-0、3-0だった。でも、これがサッカーだ。遊びではなく勝ちにきた。持てる力を存分に発揮すれば勝てると思うし、選手の意欲も高まっている」と意気込みを語った。

続いてシャルフブが「決勝に来られて、この会見に来られたことを神に感謝したい。うれしく、誇りに思います。ここまで大変な道のりだった。来ただけで満足することなく、結果を出したい」と話した。

質疑応答では、サウジアラビアのメディアから、まずルチェスク監督へ質問が飛んだ。「第1戦の後、日本から優勝トロフィーを持ち帰ると言っていた。その中で、この雨だ。どう対応するか」。これに対してルーマニアの知将は「雨は生活の一部。どうすることもできないので、しっかり対処していきたい。それよりも選手のモチベーションが高い。難しいシチュエーションだと思うが、必ず目標を達成したい」と話した。

アルヒラルが本拠を置く首都リヤドの11月の平均気温は27度を超え、月間降水量は7ミリ。この日だけで1カ月を上回る雨を経験したことで、心配の声が出たようだ。さらに雨について深掘りされても指揮官は意に介さず。「先ほども話したが、天候をコントロールすることは難しい。もちろんユニホームやスパイクの対策はできている。ピッチもいい。明日、我々に何か起こるとすれば、浦和にも同じように起こる。何も心配していない」と平静を崩さなかった。

続けて、サウジアラビアのレジェンドMFであるシャルフブへ「英雄のあなたは、今後どれだけキャリアを続けるのか」。これには「なるべく長く。心変わりしないように、と願う。その前に明日、自分が活躍するとかではなくチームとして優勝したい」と笑顔で語った。

アルヒラルは99-00年に前身のアジアクラブ選手権で優勝している。その時、決勝で下したのが日本のジュビロ磐田だった。ACLになってからは17年の決勝に進出し、今回と同じ顔合わせで浦和に敗れている。この比較を最古参のシャルフブが求められ「磐田と2年前の浦和、今回の浦和、どのチームが最も強かったか」と聞かれると「00年のジュビロと対戦した時は、外国人選手が多く、個がすぐれていた印象。今回の浦和は個よりもチームとして強い印象がある。一概には比較できない。時代の流れもあって、当時は個が優遇されていたしね。今回の我々は、サウジアラビアを代表するトップ選手がいながらも、しっかり組織として戦えている。前回は前回、今回は今回だ」と自信を見せた。

最後は、第1戦を1-0で制したアドバンテージについて。第2戦でアウェーゴールを1つ奪えば、浦和は勝つために3得点が必要になる。日本メディアから「有利になる1点を奪うべく、攻撃的にいくのか、守備的にいくのか」とプランについて問われると、指揮官は「もちろん簡単な試合になるとは思っていない。ただ、ここまでACLで難しい戦いを重ねてきた自信がある、持っているパフォーマンスを発揮できれば、十分に勝つチャンスがあると思っている。ACL制覇という目標をしっかり達成するだけ」と力を込め、会見を終えた。