藤枝東が清水エスパルスユースをPK戦の末に7-6で下し、第2回大会の王者に輝いた。2-2で突入したPK戦、GK西川幸之介(2年)が存在感を示した。まずは、相手3人目のキックを止める。4人目のキッカーとしてゴールの枠を外したが、サドンデスの8人目を再びセーブ。自らの失敗を取り返し、勝利を呼び込んだ。

優勝トロフィーを受け取った背番号「1」は、「大会なので、優勝することが目的。タイトルを取れたことは大きいと思う」と笑った。藤枝明誠との「藤枝対決」を制し、2連覇を飾った今月2日の新人戦に続く“2冠目”を手にした。

優勝以上の収穫もあった。予選リーグを通じて、高校年代最高峰の高円宮杯U-18プレミアリーグに所属する清水ユースと2度対戦。西川は「(攻守の)切り替えの早さや球際、スプリント1つでも差があった。体験できたことでより上を目指せる」と強調した。

小林公平監督(35)も「予選から決勝の間だけでも、プレーの連動性や判断の部分で基準を上げることができた。これを練習から続けていかなければ」と、気を引き締めた。肌で感じた経験を元に、チームのさらなる強化に励む。【前田和哉】

○…清水ユースは、1-2で迎えた後半19分にFW小塩拳生(げんき、2年)が同点弾を決めたが、勝ち越せずにPK戦へ。2人が失敗し、準優勝で終わった。本格的に始動してから約2週間で迎えた実戦で、普段は交わることの少ない県内の高体連チームと対戦。岩下潤監督(46)は「選手にとって良い勉強になったと思う」と振り返った。