県勢J4クラブの力を結集させる。J1清水エスパルス、J2ジュビロ磐田、J3藤枝MYFC、アスルクラロ沼津の選手会による合同プロジェクト「One Shizuoka Project~スポーツの力で静岡をひとつに~」の発表会見が15日、オンライン会議システム「Zoom」を利用して行われた。選手11人が会見に出席。新型コロナウイルスの影響が広がる中、医療機関の支援や地域貢献活動を行うと説明した。

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県勢のJ4クラブによる合同プロジェクトは、史上初の試み。立ち上げの中心となった、J2磐田MF山田大記(31)が「静岡に何か恩返しがしたかった。皆さんに支援や元気を届けたい」と話せば、J1清水MF金子翔太(24)も「4つのクラブが協力することで、特別な力が生まれると信じている」と力を込めた。

プロジェクト内容の1つとして、クラウドファンディングサービス「READYFOR(レディーフォー)」で出資者を募り、集まった金額を県のコロナ対策部へ寄付すると発表した。県内のPCR検査体制拡充費用に充てられる。目標額は500万円で、今月29日の午後11時まで受け付ける。支援者への返礼は出資金に応じて、選手のサイン入りユニホームやスパイクなどが贈られる他、各クラブの選手とオンライン上で交流できる特典なども用意されている。

山田は「今後は、安全と経済活動を両立させなければいけない。各所と相談し、土台となる安全を確保するため、PCR検査の充実が必要になると考えた」と説明した。さらに会見では、新型コロナウイルスの収束後もプロジェクトを継続し、社会貢献活動を行うことも発表された。【古地真隆】

○…プロジェクトは公式ユーチューブ・チャンネルを今月12日に開設し、オンラインコンテンツにも力を入れていく。沼津の元日本代表FW中山雅史(52)は動画で「日常を取り戻すために、今は辛抱、辛抱、辛抱です」と訴えている。新型コロナウイルスの影響で県中学総体や県高校総体などの中止が決まり、活動の場を失っている育成年代の選手を対象に、今後は同チャンネルで講演会を開催。4クラブの選手対抗企画の動画なども配信する予定になっている。金子は「手に手を取り合い、静岡の役に立ちたい」と願った。