鹿島アントラーズは東京五輪世代U－23日本代表FW上田綺世（21）の2ゴールなどで横浜を4－2と下し、今季公式戦7試合目にして初勝利を挙げた。

ザーゴ監督は「DFラインが高く、背後に広大なスペースがある」と横浜を分析し、DFラインとGKの間を狙うロングボールやサイドからの攻撃を徹底。「準備してきたものを試合で出せた。選手をたたえたい」と、張り詰めていた表情がようやく緩んだ。

ここまで公式戦6戦全敗かつ、オウンゴールを除き無得点だった鹿島は、前線の組み合わせを変更。2トップにはそれぞれ今季初先発のFW上田とMF遠藤を抜てきし、前節まで最前列でプレーしていたFWエヴェラウドを左サイドハーフに置いた。指揮官は「流れを変えるという意味で人を変えただけ」と謙遜したが、試合前日には「選手に（ポジションは）どこがいいか聞いてやりやすいところにするなど、結果が出る組み合わせを探している」と話していた。

4点のうち3点はサイドからのクロスを中央で合わせたものだった。先制点はエヴェラウドの左クロスを、上田が大外で合わせた。「試合前エヴェから『自分が縦に突破したときは必ずファーにふくらめ』と指示をもらっていた」と上田。狙い通りのパターンだった。ようやく歯車が回り始めた鹿島は、勢いに乗り上位浮上を狙う。【杉山理紗】