JリーグとNPBは27日、専門家を迎えた第12回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催した。

名古屋グランパスから選手2人、スタッフ1人の感染者が出て、試合の開催が当日に中止となったことなどを受けて、今後の対応について議論がなされた。

専門家チームの愛知医科大学三鴨教授は、<1>チーム移動時の食事制限、<2>濃厚接触者の特定が試合に間に合わない場合の対応の取り決め、<3>クラブ単位の自主的なPCR検査の指針の検討、の3つを提言した上で、「今回の事例を参考に、Jリーグとプロ野球が日本のスポーツ文化を守ることに前進できれば幸い」と述べた。

会議での一問一答は以下のとおり。

-専門家の提言を受けて、ガイドラインの変更検討は

村井チェアマン どれぐらいのインターバルで検査をするか、試合直前での陽性判定の場合に保健所の濃厚接触定義が試合開催に間に合うかなど、先生方と連携しながらリーグでとりまとめたい。PCR検査の陽性、陰性だけでなく、CT値や体内に抗体ができているかの組み合わせで判断したり、スクリーニングとして可能性がある抗原検査など、新たな検査手法との組み合わせも考えていく。

-新たな検査手法の詳細について

村井チェアマン インターバル、検査手法、検査結果のどのデータを見るのか、さまざまな組み合わせがある。今は2週に1回の唾液検査と行動履歴の記録。基本線に変わりはないが、技術革新やコスト、検査時間も大事な要素。先生方のご指導をいただきながら、必要に応じて改善したい。

-短期間に同一チーム内から複数の感染者が出た場合の対応について、ガイドラインの変更検討は

三鴨教授 プロ野球もJリーグも、マニュアルでは「登録してある選手でやりくりする」と決められている。社会情勢や濃厚接触者があまりに多いとき、個々の事例でコミッショナーやチェアマンが判断されると理解している。現時点で何人と決めるのは難しい。

-名古屋から感染者が3人出たが、クラスターではないのか

三鴨教授 3人の関係性について、選手同士はほとんど(接触が)なく、スタッフもマスク越しの接触はあったが濃厚接触でないということで、私の判断も保健所と同様。クラスターという考えにはあたらないと思うが、可能性は0ではない。今の時点では、濃厚接触者がないと判断した保健所の判定を私も支持したい。