J1ベガルタ仙台は「5度目の正直」でホーム初勝利をつかむ。ユアスタでは今季2分け2敗と苦しんでいるが、足の違和感で3試合ベンチ外だった中心選手のMF松下佳貴(26)が戦線復帰。8月1日のJ1王者・横浜F・マリノスとの一戦では、攻撃の軸として先発出場が期待される。さらに朗報もある。長期離脱中のDFシマオ・マテ主将(32)が別メニューながらも練習に戻り、右膝手術でスペインに帰国していたMFイサック・クエンカ(29)も再来日。明るい話題をパワーに変えて王者に襲いかかる。

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「左足の魔法使い」が帰ってきた。ボランチを務めた昨季の松下は、リーグ25試合で3ゴール。今季はより攻撃的なインサイドハーフでプレーし、チームの勝利に直接結びつく結果にこだわっている。29日の練習では正確な左足から長短自由自在にパスを操り、ゲームメーカーとして存在感を発揮した。

チームはここ5試合未勝利(2分け3敗)。松下は2点差を追いつかれ引き分けた札幌戦(18日)、2点差を逆転された川崎F戦(22日)、5失点大敗の柏戦(26日)と、直近3戦を外から見てきた。「単純に相手の裏を取る回数だったり、チーム全体の走行距離、スプリント数はもっと上げられると思う。相手コートでの決定的なプレーは少ないので、そういう決定的なプレーを自分が求められてると思う。そういうところを増やしたい」とピッチに立ち変化をもたらす。

試合復帰へ準備は整ってきた。「自分のコンディションは上がってきている。出番をもらえるのであれば、与えられた役割をできればいいと思っている」。横浜戦に向けて「1試合1試合が大事な試合だが、勝ててない中で去年のチャンピオンを倒せれば、チームとしても勢いに乗れるし、自分たちがやっているサッカー、内容が間違ってないと感じることができると思う。どんどんトライしたい」と意気込む。

王者に臆することなく、サポーターの前で攻撃的な姿勢を貫く。「まだまだチームとして成長段階。もう1つチームとして成長できるようにやっていきたい」。背番号8の左足が6試合ぶりの勝利、ホーム初白星を演出する。【山田愛斗】