ギラヴァンツ北九州は、クラブ記録を更新する8連勝で2位をキープした。勝ち点差1で追う首位長崎の結果次第で、J2で初めて首位に立つ可能性もあった。だがともに勝ったため順位は変わらず。小林伸二監督(59)は「素晴らしい。ビックリしています」。オウンゴールで先制されてもひるまず、2得点で逆転した選手をたたえた。

14試合でJ2最多得点となる25得点。この日も抜群の破壊力を見せつけた。速攻プレスで相手が得意とするパスワークを封じ、カウンターから一撃だ。0-1の前半13分、FW町野修斗(20)が、シュートのこぼれ球を同点ゴール。後半14分、町野は右クロスを相手DFと競りあいながらヘディングで決め「どのチームよりハードワークをしてきた土台がある。涼しかったんで14キロ走ろうと思った」と、タフさを見せつけたパフォーマンスに冗舌だった。昨季J3優勝の原動力にもなった攻撃力は、J2でも健在だった。

15日に町田を撃破し、Jリーグ参入後初の6連勝を達成。前節の19日大宮戦では、堅守を誇る相手から4得点の快勝で記録を「7」に更新しており、この日も自信を胸に躍動した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2月下旬から公式戦が中断。チームは4月4日を最後に練習を休止したが、5月19日から少人数による複数グループ分けで再開した。しかし、その後に北九州市の感染者再急増で一時“少人数トレ”に逆戻りするなど、調整が順調だったわけではない。6月27日のJ2再開にあたり、小林監督も「早いなというのが正直な話」と話す厳しさだった。それでも開幕2連敗がうそのような快進撃で旋風を巻き起こしている。【菊川光一】