ガンバ大阪の宮本恒靖監督(43)が6日、MF遠藤保仁(40)がJ2ジュビロ磐田へ期限付き移籍したことに対し、初めてコメントした。この日、大阪・吹田市内での練習後、オンライン取材に応じた。

質問を受けた当初は「やりとりは、2人だけのものにしておきたい」と話していた宮本監督だが、時間の経過とともに胸の内を明かしていった。

「ヤット(遠藤)と話をしている中で彼自身が試合に出続けたいと、常に話をしていたし、こちらもスタート(先発)や、途中から力を出してほしいとやってきていた。途中でいなくなるのは大きな痛手だが(本人の意思を)尊重したところがある。最近も(遠藤には)スタートでいくかもと話をしていたが、環境を変えて出場時間、場所をヤットが求めたと思う」

さらにクラブ全体が前に進む上で、苦渋の決断だったことも明かした。

「20年ここにいた選手がいなくなることで、みんなに対する影響は大きいと思うが、このクラブは続いていくし、このクラブを支えていくのは、みんなであってそれぞれ貢献してほしい。いつまでもヤットに頼っていけば、このクラブの未来につながっていかない」

かつて主将も務めた精神的支柱だった遠藤は、期限付き移籍とはいえ、今季はもう頼れなくなった。

「(今後)期待するのは全員。(選手は)自分がやらなければいけない、やっていこうというのを純粋に出してほしい。このクラブをこうしていきたい、貢献していきたいという思いを背負ってプレーに出しながら、そういう毎日を出していくことで(チームに貢献する姿勢などが)形作られていく」

遠藤ロスの有無を問われた指揮官は「前に進んでいかなければと、みんなの中にある。今日の練習もいい雰囲気だったし、歩みを進めていくだけ」と、チームやクラブの成長を目指す姿勢を強調した。

遠藤は前日の会見で、宮本監督から「感謝という言葉をいただいたし、自分も本当に感謝している」などと語っていた。

G大阪は現在、今季2度目の4連勝中。5連勝となれば、9連勝を飾った18年9~11月以来となる。7日にサガン鳥栖戦(駅スタ)で連勝を伸ばし、現在5位の順位を1つでも上げていきたい。【横田和幸】