【ユトレヒト=エリーヌ・スウェーブルス通信員】日本(FIFAランク28位)は国際親善試合コートジボワール(同60位)戦で、途中出場のDF植田直通(25)の劇的な国際Aマッチ初得点で1-0で勝ち、今年の2戦目で20年初勝利を挙げた。

1トップで先発したFW鈴木武蔵(26)は無得点での交代に悔しさをにじませながら、今後の成長を誓った。

チーム事情で9日のカメルーン戦後にFW大迫勇也(30)が離脱し、チーム唯一のFWとして出場した。

「相手にとって脅威になる場所に走ろうと意識していた」と屈強な相手DFと激しく競り合いながら、大迫とは違う、裏への鋭い飛び出しなどで持ち味を示した。

後半15分に惜しいシュートを放つなど得点の“におい”も感じさせたがネットは揺らせず、後半28分にMF原口元気と交代した。

「クロスのところで、ここで合えばというシーンもあった。FWは点が取れる場所にいかに入れるか。これは続けるしかないですし、ここにくれば決めるという思いをもってやるしかない」と自らに言い聞かせるように振り返った。

今年8月には北海道コンサドーレ札幌から、ベルギー1部ベールスホットへ完全移籍した。

「練習や試合で毎回、屈強なセンターバックとマッチアップできますし、自分の長所と短所の両方を見つけられている」と成長を語る。

コートジボワールも、守備陣にはプレミアリーグの強豪マンチェスター・ユナイテッドでプレーするDFバイーや、トットナムのDFオーリエ(27)ら欧州トップレベルのクラブで活躍する選手がいた。

鈴木は「相手の守備の時の感覚は、すごくたけていた。自分もトラップのほんの何十センチの世界ですけど、そこを極めていかないといけない」と刺激を受けた様子だった。

不動の1トップとして君臨してきた大迫を揺るがすような、分かりやすい結果は残せなかったが、手応えがなかったわけではない。

クラブに戻っての、さらなる成長を誓い「毎試合、結果を残して、考えて動いてというのを繰り返しやって、成長したねと言われるように頑張っていきたい。今はまだ、大迫選手に勝てなくても、いずれ自分が1番だと証明していきたいという気持ちはすごくあります」。試合前と同じく、自ら口にした大迫への対抗心。代表定着へ、鈴木の奮闘は続く。