J2アルビレックス新潟は19日、酒気帯び運転などの疑いで書類送検されたFWファビオ(23=ブラジル)とFWペドロ・マンジー(32=スペイン)との契約を解除したと発表した。同日の臨時取締役会で決めた。発覚後も両選手は練習に参加し、Jリーグへの報告もなく、アルベルト監督はファビオをリーグ戦6試合に起用していた。是永大輔社長は新潟市内での記者会見で「道義的に間違っていた」と謝罪し、12月31日まで100%の減俸。玉乃淳ゼネラルマネジャー(GM)はけん責とし、年末まで報酬を自主返納する。

午後3時から始まった記者会見。18社32人の報道陣の前で是永社長は、約1時間40分の質疑応答の間、「判断ミス」を繰り返した。沈痛な面持ちで「捜査中の選手を謹慎にしなかったのは、会社として道義的に間違っていたと猛省している」と語った。

9月16日にファビオ、マンジーら選手3人、スタッフ1人が新潟市内の公園で飲酒。日付の変わった深夜にフォビオが自家用車で帰宅途中、新潟県警の交通取り締まりを受け、酒気帯び運転が発覚した。翌17日には是永社長と玉乃GM、アルベルト監督の3人が事態を把握した。しかし、Jリーグへ報告したのは10月13日。遅れた理由について「任意捜査が全て終了することを待っていた。ただ、ここまで時間がかかると思っていなかった」と釈明した。

任意捜査中と分かりながら、アルベルト監督はファビオを6試合に起用していた。「警察に確認したところ任意捜査期間中の試合への出場と練習参加については、クラブの判断に任せると言われたことを監督に伝えた」。「今思えば失敗だった。本当に恥ずかしいと思っている」と猛省した上で、同監督の責任は「ないと思っている。あくまで監督はオン・ザ・ピッチを考える立場」とかばった。

今月15日になって全選手へ報告した。その時の様子については「話が進むにつれて、顔色が変わっていった。ただ誰も意見はしなかった」とも明かした。

是永社長は今後、コンプライアンス対策委員会の設置、全選手を対象とした飲酒運転を含むコンプライアンス講習会の実施を行っていくことを約束した。自らの進退については「ここで投げ出すことは考えていない。ただ辞任の声が多くなった時は、辞める覚悟はある」と話した。【小林忠】