J2東京ヴェルディ戦で先発し1得点を挙げたJ2新潟のFW鄭大世が、試合後のオンライン取材で引退を表明した川崎フロンターレのMF中村憲剛へ感謝の思いを口にした。

鄭大世がプロ生活をスタートさせた川崎Fで、中村とともにプレー。「僕のキャリアは、中村憲剛さんに怒鳴られ続けてから始まったキャリアでした。今も下手くそですけど。あのときはもっと下手で。足元もおさまらないし、すぐボール失うし。練習中から怒鳴られまくって」。厳しい一方、鄭大世が相談すると、常に話を聞いてくれた。この日のゴールも、10月31日のFC東京戦での中村のゴールを見て生まれたという。

「憲剛さんに相談してすっきりするし。そうしたら次の試合、結果が出る。今日もまさにそうだったし。いつも僕のキャリアのそばには、中村憲剛の存在がありました」。40歳。だれもが「まだできる」と言う中での現役の幕引きに「惜しまれながらの引退。その決断をできる状況にある中村憲剛という人間が素直にうらやましいです。ミスターフロンターレで、そのクラブの苦しい時もうれしい時もすべてを経験して、優勝までさせて。今、Jリーグ史上最強のチームといっても過言でないぐらいの川崎フロンターレで引退して。そこで引退を決断できることのすばらしさ。脱帽です。圧巻です」。

鄭大世が中村に宣言していたのは「僕は憲剛さんより先に引退はしません」だった。「それだけは達成できました」と笑い「自分が成長したと思えた心の裏には、憲剛さんの一言があった。自分の心の裏には中村憲剛がいます」と感謝の思いを口にした。