新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されていた静岡県大会が約1カ月遅れで開幕し、昨秋の県選手権で決勝に進んだ2校が順当勝ちした。県選手権準優勝の東海大静岡翔洋は8-1で榛原に大勝。FW市川舜基(よしき、2年)が4得点2アシストの活躍を見せた。2回戦は13日に行われる。

東海大静岡翔洋FW市川が、ゴール前で圧倒的な存在感を示した。0-0の前半9分。右足で先制のネットを揺らすと、同18分に右クロスに左足を合わせて2点目。同23分には自ら獲得したPKをゴール右へ決め、前半だけでハットトリックを達成した。後半7分にもパス交換で中央を抜け出し、4点目。2アシストも記録した背番号「10」は、1人で6点を演出した。

8発快勝の主役になったエースだが、笑顔はなかった。「勝ったことは良かったけど、良いスタートとは言えない」。昨秋の県選手権では、主力として28年ぶりの決勝進出に貢献。しかし藤枝明誠に0-3で敗れ、全国を逃した。同舞台での雪辱を狙う新チームの公式戦初陣。だからこそ「パスが合ってないし、もっと点を取れた。失点もしている。個人としてもチームとしてもまだまだ」と、反省だけが口を突いた。

13日の2回戦では、島田商と対戦する。現チームで、昨年からの主力は市川ただ1人。「去年の経験を生かして周りを引っ張っていかないといけない。責任感を持って結果を残していきたい」と言った。目標の優勝へ、経験の浅いチームをけん引する。【前田和哉】