J1ベガルタ仙台FW西村拓真(24)はゴールに飢えている。

宮崎3次キャンプの21日、練習試合翌日とあり軽めのメニューで約1時間調整。期限付き(今年1月1日まで)で昨季在籍していた点取り屋は、延岡2次キャンプ期間の11日に、ロシア1部CSKAモスクワから完全移籍で加入が内定。同日に合流も移籍関連書類がそろわず、10日間ほど内定状態が続いていた。晴れて正式に入団が決まり「1試合1点は取りたい」と強気な姿勢で今季を迎える。

エース襲名へゴールに全集中する。「それ(ゴール)しかないと思っているので、今年はとことんそこにこだわりたい」。昨季の総得点はリーグワースト2位で、チーム得点王だったFW長沢が大分トリニータへ移籍。「しっかり覚悟を持って1年戦いたい」と目に見える結果で存在感を示す。

西村は昨年3月、期限付き移籍で約1年半ぶりに古巣へ復帰した。昨季は本職のストライカーの位置ではなく、サイドに張るウイングが主戦場で20試合3得点。シーズン後半は負傷の影響で、出場試合数とゴール数を伸ばせなかった。

CSKAモスクワとの契約を残す中、昨季終了後は実家がある名古屋を拠点に自主練習に励んできた。フィジカルや体力強化に特化した西都1次キャンプには参加できず、チームの土台づくりが着々と進む延岡2次キャンプ途中で仙台加入が決定。ほかの選手よりも遅れてのスタートだったが、90分間プレーするスタミナに関しても「問題ない」と戦う準備はできている。

27日の開幕サンフレッチェ広島戦(エディオンスタジアム広島)まで1週間を切った。西村のリーグ戦でのキャリアハイはシーズン途中でロシアに旅立った18年の11得点。「今までとは比べずに、今まで積み重ねたものを出せれば確実に上回れると思うし、自信はある」。開幕と同時に大爆発し、手倉森監督率いる新生仙台でエースの地位を築く。【山田愛斗】