昨季まで毎週火曜日付の本紙静岡版で掲載していた連載を、今季はネットでお届けします。先週に行われたJ1清水とJ2磐田の試合で、担当記者が開催日翌日の紙面では書けなかった話やネタを掘り下げます。

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清水エスパルスは6年ぶりに開幕戦白星を飾った。鹿島アントラーズに逆転勝ち。ロティーナ新監督(63)の采配が的中し、敵地から勝ち点3を持ち帰った。

1-1の後半38分、同18分から途中出場していたFW後藤優介(27)が左クロスに頭から飛び込んで値千金の決勝ゴールを奪った。「自分のできることをやろうと思っていた」と、見事にストライカーの役割を果たした。この日は4-3-3と、4-4-2の布陣を併用。指揮官は「2列目にFWの選手を入れ、飛び出すエリアをつくることによって、得点を狙うことを考えていた」。言葉通り、後方から走り込んだ後藤が、フリーでネットを揺らした。

試合当日の2月27日が、第1子となる長男の1歳の誕生日だったMF河井陽介(31)は、後半29分から途中出場。相手の急所を突き、全得点に絡む活躍を披露して、愛息の記念日に花を添えた。ロティーナ監督は「交代選手が持ち味を出し、チームに貢献することは非常に重要なこと。満足している」とたたえた。歯車がガッチリかみ合い、リーグ鹿島戦10試合ぶりの白星をつかんだ。

3日にルヴァン杯サンフレッチェ広島戦を挟み、6日にホーム開幕アビスパ福岡戦が控える。過密日程を乗り切るための指揮官の選手起用が、注目されそうだ。【古地真隆】

▽得点経過 後半30分(鹿島)荒木遼太郎、後半33分(清水)チアゴ・サンタナ、後半38分(清水)後藤優介、後半43分(清水)オウンゴール