アルビレックス新潟はホームで東京ヴェルディに7発を浴びせ7-0で圧勝、開幕連勝を5に伸ばした。

トップ下の高木善朗(28)が3得点2アシストの大暴れ。自身初のハットトリックを古巣戦で達成した。6-0の後半ロスタイムにはルーキーMF三戸舜介(18)にも初ゴールが生まれた。7点差はクラブ史上最大得点差勝利。過去12戦未勝利の相手に歴史的大勝を収め、勝ち点15で首位をキープ。次節は4月4日、アウェーでSC相模原と対戦する。

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高木が3度“スポットライト”を浴びた。前半に左足と頭でネットを2度揺らしたあとの後半37分。自らが倒されて得たPKをゴール左隅に豪快に蹴り込んだ。「(谷口)海斗にプロ初得点をプレゼントしたかったがハットトリックが懸かっていたので蹴らせてもらった。冷静に打てた」。J通算253試合目、古巣戦で決めた自身初のハットトリック達成。「新潟に来てからヴェルディに勝てていなかったので得点より勝利がうれしかった」と今季5戦5得点目を控えめに喜んだ。

開幕からキレキレの高木はピッチを動き回り、自由自在に攻撃を操った。「空いたスペースでパスを引き出し、活用できた。キーになれたと思う」。4-0の後半28分には自陣からの長い距離をドリブルで突き進み、最後はFW鈴木孝司(31)の今季4得点目をお膳立てもした。アルベルト監督(52)は「ヨシ(高木)は重要な選手。チームに必要なプレーを正確に理解している。3得点に『おめでとう』と伝えたい」と背番号33をたたえた。

ホーム今季最多1万986人のサポーターの前で選手たちは躍動した。前日会見で指揮官が「就任して以来、一番いいトレーニングができた週だった」と自信を見せていたように試合は常に新潟ペース。交代選手も含めて全員が持ち味を発揮し、試合終了のホイッスルが鳴るまで猛攻を仕掛け続けた。「全てがうまくいった」とアルベルト監督。「今日だけはこの勝利を満喫したい」。

7-0。クラブ史上最多得点差勝利で、ここまで12戦未勝利だった東京Vという「鬼門」を破った。チームは次節、相模原と対戦する。高木は「今は負ける気がしない。試合を通して個人としてもチームとしても、もっとレベルアップしたい。次も勝ちに行く」と連勝継続に向け、気持ちを切り替えた。【小林忠】

<新潟の記録メモ>

▼最大得点差勝利 1試合7得点は03年9月13日のアウェー横浜FC戦(7-1)以来18年ぶり2度目のクラブ最多タイ記録で、今回の7-0の7点差はクラブ史上最大得点差勝利。ホームでの7得点は過去4度の6点を更新するクラブ新記録となった。なお、J2全体では柏が19年11月24日の京都戦で記録した13-1が最多。

▼初の3発 J2新潟MF高木が古巣・東京Vを相手に3得点。J2リーグ戦での1試合複数得点は東京V時代の17年5月17日の千葉戦(味スタ)以来、4年ぶり4度目だが、1試合3得点以上のハットトリックは初。18年の新潟加入後の年間得点数は0、2、1点。今季は開幕から5試合5得点と絶好調で自身の年間最多得点記録である東京V時代の16年にマークした8得点(37試合)を早くも更新しそうな勢いだ。

○…高卒ルーキー三戸(JFAアカデミー福島)が後半ロスタイムに左足でプロ初ゴールを決めた。「今日は最高の日になりました ! 」と笑顔。出場3試合目で結果を残した技巧派MFは「いい印象を残したいと思っていた。得点は練習していた形が出せた」と振り返り、「もっと成長したい」。