今季のJ1は残留争いも厳しく、激しくなりそうだ。例年、厳しい評価をされるのがJ2からの昇格組。そのひとつ、徳島ヴォルティスは4日のアウェー戦で清水エスパルスに3-0快勝し、J1で初の連勝を飾った。

昨季まで堅守のセレッソ大阪を築いたロティーナ監督が率いる清水相手の3得点は価値がある。前半28分にFW宮代がGKがはじいたボールを押し込んで先制。後半9分にはMF岩尾がPKを決め、ロスタイムにエースFW垣田がダメ押しの3点目を決めた。

危ない時間帯も冷静に対処し、得点につなげた。それまでは得点しても、すぐに失点と危うさがあった。監督代行の甲本偉嗣ヘッドコーチ(41)は「いい形で得点を奪えて自分たちの時間が作れた。いい形でボールを動かし、ゲームプランがはまった。いい試合だったと思う」と笑顔で評価した。

初めてJ1に挑んだ14年度は3勝5分け26敗で得失点差はマイナス58。17位C大阪とも勝ち点差17と断トツの最下位だった。その苦い経験がある。2戦連発の宮代は連勝を「全員がハードワークした結果です」と誇った。

PKで2点目を決めた主将の岩尾はJ1初ゴールとなった。甲本ヘッドが「自分の足りないところを補ってくれている」と評価したように、チームの精神的支柱となっている。その存在が決めた初ゴールも勢いにつながる。

新型コロナウイルスによる入国制限で入国できなかったダニエル・ポヤトス監督(42)が3月30日にようやく来日。2週間の待機期間をへてのチーム合流となるが、プラスの材料は間違いない。7年前の悪夢を繰り返さず、戦い抜けるか。四国で唯一のJ1クラブの挑戦は続く。