昨季まで毎週火曜日付の本紙静岡版で掲載していた連載を、今季はネットでお届けします。先週に行われたJ1清水エスパルスとJ2ジュビロ磐田の試合で、担当記者が開催日翌日の紙面では書けなかった話やネタを掘り下げます。

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ジュビロ磐田は今季初の完封勝利を飾った。後半4分、FWルキアン(29)が右足で決勝点。手数をかけず、シンプルな攻撃がゴールにつながった。

得点シーンは、自陣からDF大井健太郎(36)がルキアンにロングボールを供給。ボールを受けた助っ人は左サイドで起点を作り、クロスを上げた。そのはね返りを自ら蹴り込み、ゴールに流し込んだ。直近4試合で3得点。「自分でも好調だと感じている」とうなずいた。

チームは、ボールをつなぎながら崩すスタイルを理想に掲げている。だが、今季はボールをつなぐ段階でのミスが失点に直結しているシーンが多かった。特にJ2ではゴール前を固められることが多く、「遅攻」だけでゴールを奪うのは容易ではない。

時にはシンプルに相手の背後を突き、最短でゴールを目指すことも有効な手段だ。今季、先制した試合は3戦全勝。リードを奪えれば、試合を優位に進められることは、データが物語っている。攻守の歯車がかみ合って勝利した一戦を今後の戦いに生かしてほしい。【神谷亮磨】

▽得点経過 後半4分(磐田)ルキアン