あふれ出る言葉を、止めることが出来なかった。11日の敵地・サガン鳥栖戦後のオンライン会見。パソコンの前に現れた横浜FCの早川知伸新監督(43)の表情は、厳しかった。

試合を振り返り「結果的に負けたことを本当に悔しく思います。悔しい。スタッフも悔しいし、選手も悔しい。それに尽きると思います」と言った。

4度、「悔しい」と言った。

パソコンの前だけではない。ロッカールームでも、同じだった。選手には「負けたことを本気で悔しいと思えるか」と伝えた。

監督就任後、初のゲーム。前任の下平隆宏監督(49)の解任を受け、ユース監督の職から昇格した。8日に発表され「中2日」での一戦。文字通り、時間はなかった。ただ言い訳は出来ない。そこは結果が全てのプロの世界。何が出来るのか-。

新たな戦術の理解、変更には物理的に時間がかかる。大事なことは戦う姿勢を示すこと。MF瀬古は試合後のオンライン会見で「サッカーはシンプル。ゴールを奪う、ゴールを守る。負けはしたけど、そこの辺りの姿勢は少しは見せられたかなと思う」と言った。これは早川監督が就任時に、選手に伝えた言葉だった。

シーズン序盤での監督交代。「まさか、自分がって」。戸惑いがあると同時に、覚悟は半端じゃない。「監督としてなった以上、先にあるのは解任、辞任しかない。このクラブでの最後のミッション、そういう位置付けをしてトライしたい」。開幕から9戦を終え、いまだ未勝利。「積極性は出ていた。そこはネガティブではなく、ポジティブな部分。簡単に意識のところだけで改善できるものではないのが現実」と状況を精査する。

次節は17日の仙台戦(ニッパツ)。次こそは、ホームで必ず勝利する。あふれ出る喜びの言葉を、何度も何度も口にする。【栗田尚樹】

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