アビスパ福岡のファイター見参だ! FW渡大生(27)が、敵地の仙台戦で今季初ゴールを記録。新天地での“リベンジゴール”で、クラブ新記録を更新する5連勝に貢献した。

後半ロスタイム1分、後半途中出場のFW渡が、左クロスが相手DFに当たったこぼれ球を拾った。「自分らしいゴールかなと思う」と振り返った決勝弾だった。

「FWはやっぱり得点で評価されるべきと思っている。それがなかったら代わる(交代)のは当たり前なので、そこに対しては競争意識があります」

新加入のFWジョン・マリ、FWブルーノメンデスや、フアンマ・デルガドら外国人を含む激しいFW争いに危機感もあった。

悔しさが原動力だ。昨季大分トリニータでわずかリーグ戦2得点。J1でリベンジを果たす覚悟もあり、福岡に完全移籍した。元々攻守の切り替えが速く、堅守カウンターが武器の福岡の戦術にフィットする可能性を秘めていた。

そんな中で、福岡で「自分らしさ」を発揮し始めている。この日、長谷部茂利監督(50)が「非常に良かった。攻守の切り替えが彼の持ち味。長所を十分提供してくれている」とたたえる活躍だった。

福岡移籍後も「FWはとがっていかないといけないし、丸くならないようにしている」とのポリシーがある。そして「自分のパーソナリティーだったり、そういったものをチームに対して還元したい」という。

福岡については「すごく謙虚。目の前の試合に対して死にもの狂い。連勝を続けていますが(気持ちが)フワッとならず、どのチームよりも謙虚。自分たちは下の下から来ているから、やるべきことをやろうという雰囲気」と感じており、渡自身もおごらず「フォア・ザ・チーム」に徹していく。【菊川光一】