「アマチュアの雄」が、2年ぶりにJ1チームを撃破した。JFLのホンダFC(静岡代表)はJ1横浜F・マリノスと点を取り合い、2-2でPK戦へ。5-3で退けた。2019年天皇杯でJ1の札幌と浦和を下して以来の大金星を挙げた。

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ホンダFCが再び「大物食い」を披露し、3回戦に駒を進めた。2-2のまま、延長戦でも決着がつかずに迎えたPK戦。GK楠本祐規(27)が、相手の1本目に鋭く反応した。迷いなく右に跳んではじく。ビッグセーブで流れを呼び込むと、ホンダは5人全員が成功させた。前半28分にPKで先制点も決めるなど、「攻守」で躍動した守護神を中心に、敵地・三ツ沢で歓喜の輪が広がった。

最後まで諦めない姿勢が勝利を呼び込んだ。1-1で迎えた延長前半12分。サイドを崩されて勝ち越し点を許した。格上相手に痛すぎる失点を喫したが、延長後半1分だった。途中出場のFW岡崎優希(23)が左クロスに反応し、左足で同点弾を突き刺した。起死回生の一撃で勝利に貢献した背番号「13」は、「絶対にクロスが来ると思って良いポジションを取った」と、白い歯を見せた。

これで県予選でのJ3沼津、本大会1回戦のJ3岐阜に続き、Jリーグ勢3連破となった。勢いに乗って臨む来月7日の3回戦では、J2磐田と対戦する。県西部チーム同士の激突に向けて、岡崎は「次もチーム全員で勝ちたい」と、力強い言葉を残した。目標に掲げた日本一へ、歩を止めるつもりはない。【前田和哉】

▼GK楠本 天皇杯でGKが決めることは、なかなかない。面白いと思って蹴った。今後も、相手がJ1だろうとJ2だろうと気後れせず、戦って頂点を目指したい。

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