J2ジュビロ磐田は1-0で甲府を下し、クラブ新記録の5試合連続完封勝利を飾った。順位も今季初めてJ1自動昇格圏の2位に浮上。

それでも、鈴木政一監督(66)は満足していなかった。指揮官が求めているのは、試合内容も伴った上での勝利。その点では物足りなさを感じる試合だった。

「今日は最後まで粘り強く頑張ったことで勝ち点3を取れた、ということだけです」。鈴木監督は試合後の会見でも手厳しかった。前半4分に相手DF1人が退場。ロスタイムを含めると、約90分間数的優位の状況だったにも関わらず、スコアは1-0だった。

特に後半は押し込まれる時間が多く、あわや失点の場面もあった。劣勢となった原因はいくつかあるが、

1つは思い切ったプレーが少なかったからだ。シュート数は前半の7本に対し、後半は3本。ボールを保持できる時間が増えた中で、ミスからカウンターを受けるシーンが目立った。

鈴木監督は「フリーであればあるほどボールをいいテンポで動かして、もっと積極的にプレーできれば、こういう内容のゲームにはならなかったと思う」と課題を挙げた。もっとも、今季は勝利を最優先に考え、J1昇格を勝ち取らなければいけない。ただ、指揮官が試合内容も求めている理由は、J1に復帰した来季のことも見据えているからだろう。

決勝点を挙げたFW大津祐樹(31)も「勝ったからオッケーではなく、修正がしっかりできているからこそ今の勝利につながっていると思う」と強調した。試合後のロッカールームでも選手間で反省点や修正点などを話し合ったという。その謙虚な姿勢があれば、次戦もおのずといい結果がついてくるはずだ。【神谷亮磨】

▽得点経過 前半15分(磐田)大津祐樹