J2アルビレックス新潟の「野菜を育てる点取り屋」、FW谷口海斗(25)がリーグ戦再開となる9日のホーム大宮アルディージャ戦で今季9ゴール目を奪い、チームを上昇気流に乗せる。園長となり、クラブハウス前で愛情を込めて栽培する夏野菜は大豊作。シーズン開幕前に目標に掲げた2桁得点まであと2に迫るストライカーが、この夏までに育て上げた野菜同様、ゴールでも“大収穫”を狙う。

谷口が5月中旬から始めた「谷口農園」の夏野菜が収穫の最盛期を迎えている。選手とホテルマンを兼務していたJ3グルージャ盛岡時代(18年)に得た知識を活用して開園した農園は、この夏に一気に活性化。特に勢いがあるのはミニトマトとナスで毎日の収穫が必要なレベルにまで育っている。「練習後にトマトをつまみ食いしてから帰るのが日課。野菜と同じぐらいゴールも収穫していきたい」と笑顔を見せる。

強い日差しを受けて育つ野菜とは反対に、自身は暑さに少し弱いと苦笑いするが「新潟の夏は熊本に比べてサッパリとしている。調子を上げていきたい」。昨季はJ3ロアッソ熊本で18点を挙げてリーグ得点王を獲得。初挑戦のJ2リーグでもここまで8得点を記録している。得点ランクでは1位のジュビロ磐田FWルキアンに4点差の6位。カテゴリーをまたぎ、2年連続得点王を射程圏内にとらえるが「もっと(得点を)取れるチャンスはあったし、取らないといけなかった。2桁得点と勝利につながるゴールを常に狙ってやっていく」。

レベルアップを求め、開幕前から特長であるスピード面を強化するために腸腰筋を鍛えている。「(相手背後への)裏抜けの場面など効果は少しずつ感じている」という。3日にはJ1大分トリニータからFW高沢優也(24)が期限付き移籍で加入。鈴木孝司(32)も1日のJ3カターレ富山との練習試合でゴールを決めるなどFWのポジション争いが激化するが「それぞれ特長が違うのでゴール前での動きなどをたくさん吸収して成長につなげたい」。リーグ戦再開の9日の大宮戦から野菜と同様、ゴールという結果を残してチームを勝利に導く。【小林忠】