0-0、スコアレスドロー。

18年W杯ロシア大会日本代表でガンバ大阪のDF昌子源(28)は、無失点で前後半90分間を耐え抜いて感じた。8月21日、本拠地パナスタで臨んだJ1第25節の東京戦。向き合ったのは今季9得点のディエゴ・オリヴェイラ、前節2得点のアダイウトン、鹿島での実績も豊富なレアンドロという強力な3トップだった。

「彼らについては、説明するまでもない強烈な3人。推進力、ノールックでも『(考える場所に)いるだろう』という感覚は素晴らしいものがある。3バック(昌子、三浦弦太、キム・ヨングォン)を中心にいろいろな選手に声をかけて、対応できた部分は大きい」

そして、こうも言った。

「FC東京のブラジル人はワンツーでも止まらずに前に走ってくる。(途中出場した)永井(謙佑)くんもそうですが、ゴールに向かう姿勢は、やっていて嫌ですね」

対峙(たいじ)して感じる、率直な思いだった。

この日、G大阪は無得点。互いに一進一退の攻防が続いた。得点を与えなかったが、取れなかった。昌子は「前(前線)の選手ではないので、あまり僕らには言えないところがある。彼らには彼らの考えもある」と言いながら、分析した。

「数字ではあまり見ていないけれど、シュートが枠内に少ない印象はあります。前節(清水戦)の(FW)山見(の決勝点)じゃないけれど、打てば、相手に当たったり、ハンドになったりもある。ゴールに向かってくるのは、僕らも(守っていて)嫌なので」

昌子と共に18年W杯を戦ったFW宇佐美貴史(29)も、この試合では難しさを痛感していた。

「やっぱり前に、いい形でボールを運べていない。チャンス、決定機が多くなかったと思いますし、がっちりと(相手守備陣に)固められた中で、そういう形を多く作り出せなかったのはあるかな、と思います」

宇佐美が攻撃の伸びしろとして挙げるのは、崩しの引き出しを増やすこと、そして速攻。松波正信監督(46)も「奪った後のスピード感」を課題の1つに挙げた。0-0で終えた一戦からは、多くの学びを得た。

昌子はこう力を込める。

「後ろで我慢すれば『前の選手が点を取ってくれるだろう』っていう信頼がある」

次節は25日の敵地横浜FC戦。勝ち点3を目指し、教訓を糧にする。【松本航】