アルビレックス新潟はアウェーで下位に低迷するツエーゲン金沢と対戦し、0-1で敗れた。J2残留争いをする相手に痛すぎる黒星。J1昇格を争うライバルの背中が遠のいた。1点を追う後半33分、DF田上大地(28)が倒されてPKのチャンスを獲得したが、FW谷口海斗(26)のキックは相手GKにセーブされ、同点機を逃した。これで16勝9分け7敗となり順位を4位に落とした。勝ち点は57のままでJ1昇格圏の2位との勝ち点差は9から10に広がった。

J1昇格に向け、負けられない、負けたくない一戦をものにできなかった。0-1の後半33分。右クロスに合わせようとした田上が倒され、PKを獲得。キッカーはチーム得点王の谷口に託されたが、ゴール右を狙ったキックは相手GKに阻まれた。試合終了後、ピッチに倒れ込む谷口。DF藤原奏哉(26)に抱き上げられたが、大粒の涙が流れていた。

金沢の包囲網を打破できなかった。前半8分に先制点を献上。その後は相手陣地に押し込み、同点、逆転を狙うが、完全に守備ブロックを下げる相手の前に「各駅停車」のパス回しが続き、PK以外で得点機を作ることができなかった。アルベルト監督(53)は「9、10人で守られたら崩しきることは難しい」と嘆き、MF島田譲(30)は「なんとか糸口を探したが…、自分たちの実力不足」と悔しがった。

2連勝と復調の兆しを見せ、敵地に乗り込んでいた。それでも勝負どころで勝ちきれない今季の「悪癖」を克服できなかった。リーグ戦残り10試合。この日スタジアムに集まったサポーターは「下向くな!」「諦めないぞ!」と選手の背中を押す。次節は9日、ホームに山口を迎える。島田は「ここまで来てくれたサポーターに申し訳ない。次は絶対に勝つ」と、前を向いた。【小林忠】